デスクには常に端末を2種類以上は置いているマルチデバイス使いとして、マルチタスクガジェットはそれらを使いこなす相棒です。M585/M590が製造中止となり程よい価格帯の高機能マルチタスクマウスの後継機が空席となっています。最も近そうな機種はSignature M750で見た目は似ているけど、どの程度違うのか、どの様に進化したのか、新たな相棒に足りる存在なのか、実際に操作して比較しました。
マルチタスクガジェット
おすすめマウス:Logicool M585/590
なんと言っても値段が3000円前後で恐ろしいスペックの8つボタン。公式ではカスタマイズが5か所で5個ボタンとか書いてあるけど過小評価もいいところ。旧製品なのに新製品のM750と比べてボタンが多い。隠れ機能として、マウスホイールが左右にチルトするのでExcelとかで便利な左右スクロールが出来る(ん?これはボタンか?って扱いだから省略されているのか)。
端末への接続はUnifyingレシーバー経由とBluetooth接続の2択ができ、2つの端末に接続してタスクを1台のマウスで出来るよってコンセプト。
画期的なのはマウストップにある「タスク切り替えボタン」Easy-Switchが固定で配置されていて、タスクに合わせて端末の切り替えができる。しかも、切り替える速度が一瞬。手元に置いたのPC2台を操作するのも良いが、遠距離(見える範囲)にあるPCの操作と手元のPCを交互に操作できたりと、知らない人から見るとエスパーに見えるマウス。
純正のフリーソフトLogiOptions+(旧ソフトがLogiOptionsで下位互換なので無視)のFlowにも対応していて、PC間をマウスで移動してドラッグ&ドロップができるってファイル共有も兼ねる。これまた便利そうだが、PC2台のマウス使用権限を同時にジャックしてしまい、2台で1個のマウスカーソルとなってしまうデメリットがある。結局、タスク切り替えをした方がそれぞれのPC(端末)のマウスカーソルを操作できるためマルチ感が強い。
Easy-Switch自体はマウス単体で機能するので、LogiOptionsをインストールしなくても、USBレシーバーなどの接続が出来るPCなら全てこの機能の対象になる。
M585とM590の違いは590が静音仕様で、クリックの感触と音が590の方が静か。正直、ネットで調べて違い気づくレベルで大差は感じないが、意識して使い比べてみると、確かに指の負担が少し軽いM590の方がベターに感じる。M750とM590は同程度だと思う。
Unifyingレシーバーが1マウスに付き1つ付属してくるから2台所持していてもレシーバーに使い道ができるという価格破壊な存在でした。M590にレシーバ付属で3000円、レシーバー単品で1000円て。
接続先の端末がBluetooth対応でない場合や、OS側の設定が煩わしい場合はレシーバーをUSBに挿すだけと設定がシンプル。操作したいPCにレシーバを移せば、それだけで手中に落ちるという、PCに囲まれた職場環境ならば、レシーバー複数持ちで神器の完成。
新製品:Signature M750
見かけデザインはM590とほぼ同じだが、価格は5000円近くで、マウストップのボタンが「DPI切り替えボタン」となった。ここが大きく違う。この切り替えによってマウスポインタの移動速度が変えられるって機能振り分けをしている。
実際にマウスを握ってみると、M750は手首で急勾配となって、手首の付け根がデスクに着きやすく、厚めのマウスパッドが欲しくなる。1mm厚のマウスパッドではクッション不足で手首をデスクに擦り付けている様で摩擦を感じる。M590では手首付近に丸まりがあり、1mm厚のマウスパッドでも問題なかったが、M750を握った自分の手首をよく見てみると、手首を変に宙に浮かせていて、腱鞘炎候補生みたいな怖い手つきをしていた(!?)。ちょっとした違いで、M590ではデスクに対して手首が自然な向きになり、マウスパッドとも相性が良かったらしい。
(比較がてら、自己観察をしてよかった。M750用に調整用マウスパッドを新調しようと思った。)
M750の接続はLogiBoltレシーバー(付属)とBluetoothに変更となり、今までストックしたUnifyingレシーバも使えなくなるので、後継というより、類似新規路線といった感じ。
僕が使用する範囲で、大画面のディスプレイやウェブブラウズでは高速モードを使って、画像編集や資料作成などの細かい作業をするときがあるので、通常モードと使い分けると便利になりました。そもそも高速にマウスポインタを動かすって発想はデフォルトのOSの機能でも可能だったけど、専用ボタンでシーンに分けてマウスポインターの速度を使い分けるって発想は新鮮で確かに効率は上がる。
ところで「タスク切り替えボタン」はどこ行った?と、ここが残念な仕様で、まさかの背面に移った。
底面ボタンを押すと3端末で切り替えができる。この時点でM590のマルチタスク感は薄れるが、Flow (LogiOptions+の機能) を使ってデメリットを克服しようとするが、Flowがネットワーク経由で動作するためネットワーク管理者のルーターの設定次第でポートが塞がれていたり、OSのバージョン次第ではソフトが使えなかったり、通信速度が遅いとそれに影響を受けてシームレスな動作をしない、といった様に壁の量が多い!
他にも、マウスホイールの左右のチルトが無くなったり、接続先が最大3チャンネルに増えたりと機能の足し引きはあるものの、価格が少し高め。さすがスイス製、計算がわからない。
LogiBoltレシーバー
Logicool使いならば、見たことがあるはず、このマーク。この2種類に互換は無い。
あまり知られていないが、Logicool独自の規格で、LogiOptionsを使えば、拾ったレシーバーなども自由にペアリングの組み合わせができる。そのため単品でもレシーバーが売られており、Bluetoothが不安な環境であろうと、レシーバーを買い足せば力技で解決ができ、そのマウスのチャンネル数だけ確実にタスクを振り分けることができる。
マウスがLogicoolで気に入ってしまうと、次にキーボードにも興味が向いて、マウスとセットでLogicool製を使う人が多いと思う。最近発売されているキーボードはほぼほぼLogiBolt規格対応になっているため、LogiBoltで統一すればレシーバーひとつでマウスとキーボードが操作できる。このレシーバーはUnifyingからだが、違うガジェットを最大6台まで同時接続できる優れもので、レシーバーの規格を統一できるとガジェットがコンパクトにできる。
まだ実感がないが、LogiBoltの存在理由はセキュリティ対策の対策になっている。シチュエーションはオフィスみたいなUSBにセキュリティロックしている場面を想定していて、物理アドレスを所持しているとUSBデバイスに電圧が掛からなくなるようなシステムに管理者が設定した場合、有線の接続しかできなくなってしまう。その場合、LogiBoltは有線であるかの様なUSBの認識をするため、そのようなシステム環境であっても無線のデバイス(マウスやキーボード)を導入できるといったメリットがある。一般企業では端末のBluetooth接続を禁止または電圧レベルで制限をかけている事が多く、最もらしい存在理由な気はする。そもそもその様な施設はUSBに扇風機であっても接続したら警告通知が来るから、LogiBoltレシーバーなんて(ガジェットオタクでは有名でも)周知されていないから、肝心な許可が降りない気がする。
僕が出入りするオフィスは今の所、完全にザルだが、Bluetoothレシーバーが端末筐体に備わっていないことが多々あり、UnifyingでもLogiBoltでもレシーバーとセットのマウスは重宝する。
ロジクール専用レシーバー接続の強みはKVMを通してもクライアントPCにほぼ依存しないで使えちゃうって隠れメリットもあります。
マルチペアリングマウス
マルチペアリング(複数台接続)できるマウスは貴重で、サンワ、エレコム、ロジクール、Razer、ラブー、ASUSぐらいしかない。特にガジェット開発に力を入れているメーカーとなると更に限られていていき、低下価格から高級路線まで幅広く定期的に新製品を出している会社はロジクールぐらいしかない。
地味に3コインズとかで2000円とかでも売っていたりしますが、意識しないと買わないし、利用しないジャンルのマウスかもしれません。
マルチペアリングキーボード
同様にマルチペアリングキーボードなるものも存在する。開発している会社は一変して、FILCO、Logicool、エレコム、キークロン、バッファロー、マイクロソフト、東プレ(REALFORCE)、PFU HHKB、 iClever、Raser、 Ankerといった、キーボードの開発に力を入れている会社が登場し出す。が、マウスやデスク周辺ガジェットに力を入れているわけでもなく、キーボード単品では超優秀って感じで連動性は少ない。
結局、キーボードを総合するとマウスと連動しちゃうLogicoolってさらに強豪です。ここまでくるとガジェットが優秀でも端末の配置や操作者(人間)がしっかりしないと使いこなせないレベル。
それでも僕はキーボードはFILCO派で、サブでLogiも使っています。
マルチペアリングの互換性問題
LogiBoltレシーバーを使ってMacOSに接続しようとするとLogiOptions+の設定で弾かれてしまう。BluetoothでないとLogiOptionsがつかえない上に、Flowのドラッグ&ドロップ機能はLogiBoltでないと機能しない。LogiBoltはMacではまだ未成熟な規格です。
といったように、新型に期待して、とりあえずLogiBoltに統一していれば間違いないという状況でもない。だって、突然Unifying路線から新規LogiBoltが発売したし。。。
Unifyingの方が今の所は互換性が高そうだけど、、、
接続さえできれば、なら、使い勝手は変わるけれどUSBのBluetoothレシーバーで増設する汎用案もある。
まとめ
M750がM585/590の後継機と捉えるなら以下が変更点になる。
接続チャンネル数が2から3に増えた。
ホイールボタンの左右ボタン(スクロール)が無くなった。
ホイールボタンが高速動作可能となり、勢いよく回すと高速回転および高速スクロールができるようになった。
手首付近がシャープになり感触が変化
120gに対して103gと軽量化さえれている。重心は電池といった感じで、重さの変化には気にならないが、落下時などの事故でマウスを破損するかのリスクは下がったと考えられる。
マウストップにあった「チャンネル切り替えボタン」が底面に移動、また同じ位置に「DPI切り替えスイッチ」に変更となった。
価格が3000円程度から5000円程度となった。
USBレシーバーがUnifyingからLogiBoltになった。
新機能スマートアクションは両マウスとも恩恵があって、M590は現役を維持してる。
まとめると、かなりの変更点となるので、後継機としては無理があるかもしれません。が、ホントにこれ以上の類似マウスが無いです。
M750はFlowを駆使する前提として、( iPadやタブレット+PCといったマルチデバイス(3台)を前提でネットワーク環境依存も、) 何でも自分の好みで設定を操作できる自宅ならば理想的な動作は期待できそう。自宅が完全オフィス人間には使いこなせるのかもしれない。
僕は自宅でWindows,Mac二刀流モードではUnifyingでM585を、PCに囲まれた職場ではM590を一台ずつキープしているので、この2台は主力のまま地位をキープしています。M750は自宅用の予備機になりました。買い替えや買い足しをしたくても、プレミアで値段が8000円近かったりと3000円で買った人には少し抵抗があるのですが、それでも今はM590派です。
ちゃんとした後継機と呼べそうな機種を期待して発売を待つことにします。
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